こんにちは、子育て中のモンテッソーリ教師demiです^^
最近、モンテッソーリ教育についてたくさんの本が出版されていますね。
基本の理論や何百種類ものお仕事がありますが・・・
実際のモンテッソーリ教育について知るのは、モンテッソーリ園の様子は見るのが一番わかりやすいです!
そこで、モンテッソーリ園の日常についての動画を探してみました。
今回のテーマは動画でわかるモンテッソーリ教育!
細かい話はまたにして、子ども目線でモンテッソーリ園での生活がどんな毎日かがわかる動画です。
- 本で読んでもイメージしづらい
- 普通の幼稚園と何が違うの?
- モンテッソーリ園って何するの?
もくじ
子どもの家では子どもが主役!
こちらはジャクソンくん4歳のとあるモンテッソーリ子どもの家での生活です。
英語がわからなくても大丈夫です。
バックミュージックのみなので、消音でも安心してご覧ください。
余裕のある方は、自分やお子さんの学校生活との違いを箇条書きにしてみるとおもしろいですよ☺︎
いかがでしたか?
もちろんジャクソンくんのしているお仕事ひとつひとつが興味深いと思います。
でも、その細かな内容よりも、子どもが主役となる生活をつくるモンテッソーリ教育の環境設定の強みがよくわかる動画だと思います。
ざっくりと私の動画を見てのモンテポイントをまとめました。
ポイント1〈わたしの時間〉
自分で選ぶ
モンテッソーリ教育を受けた子が自己選択ができる理由はこの動画で一目瞭然ではないでしょうか。
ジャクソンくんも日常生活や数学、言語など様々な活動を自分で選んで行なっています。
先生の指示もなければ、その日にこなさなければならない時間割やカリキュラムもありません。
自分で自分のしたいお仕事を探し、はじめは先生に提示してもらった上で活動を行います。
これは明らかにその後の人生に生きる力ですよね。
幼少期にモンテッソーリ教育を受けて「自分のしたいことを選んでやり遂げる」ことを経験できるからこそ、世界に影響をもたらす仕事を成せる人が多いことも納得です。
集中を邪魔されない
ジャクソンくんの集中力は見事ですね。
もちろんそれぞれの子どもや子どもの家、時間にもよって、ちょっとお仕事を投げ出しそうな子がいたり、他人にちょっかいをかけたりする子もいます。
ただ、「お仕事をしている子の邪魔をしない」「一緒にしたい場合は一緒にしてもいいか聞く」というのが基本のルールです。
1人用のお仕事だったり、その子が一人でやりたい時には、誘っても断られることももちろんあります。
「貸して」とか「一緒にしよう」と聞かれたら「いいよ」と答えなさい、というような理不尽なルールはここにはありません。
そのため、他人に迷惑をかけない限り、子どもたちは自分の選んだお仕事を邪魔されずに、心ゆくまで何度でも挑戦できる仕組みになっています。
用意から片付けまで自分でできる
何かをしたいときに「道具が使いにくかったり、どこにあるのかわからなかったからあきらめた」という経験はありませんか?
「掃除用具がいつものところになくて、探すのも面倒だし、もういいや」というように。
モンテッソーリ教育では、子どもたちがお仕事をしたいときに始めて、一人でも完結できるようにする工夫が随所でなされています。
まずは場所がわかりやすいように、お仕事は終わったら必ずもとの場所に戻す、というルールがあります。
そして、道具が使いやすいように、子どもサイズの机や椅子はもちろん、スポンジやお仕事を運ぶトレー、シンクの高さやほうきなど全てが子どもサイズです。
こうして工夫された空間によって、自分で選んで「自分でできた!」とお仕事を完結させ、達成感を毎日積み重ねる経験は、大きな充実感と自己肯定感を育むことができるのです。
自分の時間を生きる
ジャクソンくんは動画の中でずっとお仕事をしているのではなく、ちょっと寄り道をしたり、お腹が空いたらおやつを食べたりしていますね。
「今日はりんごを2切れ、クッキーを3枚どうぞ」というように、みんなで食べるために一人が食べられる量は制限されていたりします。
でも、お仕事の合間に自分のペースで休憩できます。
まるで大人の息抜きと同じですね。
子どもたちにとっては、食器の用意や片付けも手先の運動機能を高める練習になり、一石二鳥です。
モンテッソーリ教育には「何をしても良い、見放された状態」があるのではなく、「ルール(秩序とも言われます)とともに自由がある」というのが基本です。
ポイント2〈友だちとの時間〉
友達と共同で活動できる
「モンテッソーリ教育は個人の成長を重視するあまり、集団での活動ができない子になる」と批判されることがありますが、全くそんなことはありません。
動画にもあったように、友達と共同でお仕事をしたり、お昼ご飯の準備をしたりして、「集団に貢献する」という経験はたくさん積むことができます。
面白そうなお仕事を友達がしていたら、一緒にしてもいいか聞いたり、一緒にお仕事を通じて切磋琢磨したり、お昼ご飯の用意に足りないものはないか見渡したり。
モンテッソーリ教育を受けた子が、他人に対してとても気遣いのできる子になるのも納得です。
子どもたちが発達過程とし集団形成を始めるのは6歳前後からです。
幼稚園年中さん以前の小さな子のクラスに、クラスをまとめる、いわゆるリーダー格の子がいないのは、そのためです。
6歳以前の学年では、クラス全員で強制的に音楽会の練習のために長時間太鼓の練習をして協調力を養う、といった一斉で行う集団行動自体にはあまり意味はありません。
子どもも先生もストレスが増すだけですね。
それより、各自に乗り越えたい発達課題があり、小学生以上に爆発的に様々なことを学ぶことができる就学前の時間を費やすのにはもったいないともいえます。
違う年齢の友達との生活
モンテッソーリ教育では、0〜3歳、3〜6歳というように縦割りクラスでクラスが分けられているのが特徴的です。
この縦割りで様々な年齢の子と一緒に過ごす生活は、想像以上に子どもたちに良い影響を与えます。
たとえば、
- 自分より高度なお仕事をしている年上のお兄ちゃんを見て、いつかあのお仕事ができるようになりたいと思い、モチベーションが高まります。
- 年下の子が水のお仕事で床にこぼしてしまっていたら、年上の子がお掃除を一緒に手伝ってくれたりします。
- 内気な4歳児もアクティブな3歳児と一緒なら、いろんなお仕事に挑戦できたりします。
挙げるときりがないほどです。
教師からしても、
- 早生まれの子などの多少の発達の遅れにも寛容になれます
- 年上の子が喜んで先生役をしてくれるので、学級運営のしやすさもアップ
そもそも学校生活を終えれば、社会では多様な年齢の人たちとの共同で生活していくものなので、この方が社会的には普通ともいえますね。
ポイント3〈先生との時間〉
先生はできないことを手伝ってくれる人
幼稚園や保育園、学校においても、先生はパフォマーになりすぎていませんか?ジャクソンくんの動画で、先生の登場シーンの少なさに驚いた方も多いかと思います。
子どもからみる先生は、一人でできないときに手伝ってくれる、わからないことを教えてくれる、頼れる人です。
動画では、エプロンを着るのを手伝ってくれたり、言語のお仕事を教えてくれたりしていましたね。
もちろん、先生が絵本の読み聞かせをしてくれたり、一緒にお歌を歌ったりもしてくれますが、それが先生のメインの役割ではありません。
子どもの家での時間は、子どもが主役の時間です。
先生は子どものたちが「ひとりでできた!」という経験を積み、「学ぶのが楽しい!」と思える子を育てるべく、クロコとして環境を整え、子ども達が困ったり、助けが必要となっていないか、常に目を配っているのです。
おしまいに
ジャクソンくんの生活、正直うらやましいなぁと思います。
教室にルールはあるものの、公共の福祉に反しなければ、自分の自由が保障された空間。
したいことにとことん集中しながら取り組めて、わからないときには先生が助けてくれる。
大好きな友だちもいて、一緒にお仕事をしたりご飯を食べたりして生活できる。
幼少期に一人の人間として尊重される生活は一生ものですね。
そんなモンテッソーリ園の日常が描かれたわかりやすい動画のご紹介でした。